
高齢処女のまま婦人科系の病気になったらどうしよう?と考えたことありませんか?
実は、セックスがきっかけで始まる病気もあるので、処女であることをいかして予防もできます。
適切な知識で自分の身体を守りましょう。
高齢処女が知るべき婦人科疾患
子宮内膜症

どんな病気?
本来は子宮の内側にあるはずの「子宮内膜」という組織が、子宮の外側の色々な場所にできてしまう病気です。
症状
- 生理痛がひどくなる(だんだんひどくなることが多いです)
- 生理以外の時にもお腹や腰が痛くなることがある
- 性交痛がある
- 排便痛がある
- 不妊(赤ちゃんができにくい)
性行為や妊娠出産への影響
性行為の際に、子宮内膜症の組織がある場所によっては痛みを感じます。
また、卵管や卵巣の周りに子宮内膜症ができると、卵子や精子の通り道が邪魔されたり、卵巣の機能が低下したりして、妊娠しにくくなるかもしれません。
妊娠した場合でも、子宮内膜症の状態によっては流産や早産のリスクが高くなることがあります。
対策
薬物療法: 痛み止めやホルモン剤を使って、症状を軽くしたり、病気の進行を抑えたりします。
手術療法: 子宮内膜症の組織を取り除く手術です。将来妊娠を希望するかどうかなどによって、手術の方法が変わることがあります。
生活習慣の改善: バランスの取れた食事や適度な運動、ストレスを溜めない生活も大切です。
卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)

どんな病気?
卵巣に液体などが溜まってできた袋状のものです。良性のもの(心配ないもの)が多いですが、まれに悪性のもの(がん)もあります。
症状
小さい場合はほとんど症状がないことが多いです。大きくなると、お腹が張る、下腹部が痛む、便秘や頻尿になることがあります。
まれに、茎捻転(嚢腫の根元がねじれること)を起こすと、突然激しい痛みが起こります。
性行為や妊娠出産への影響
小さい嚢腫であれば、性行為や妊娠出産に影響はほとんどありません。
大きい嚢腫の場合、性行為の際に圧迫感や痛みを感じることがあります。
卵巣の機能に影響が出たり、卵管を圧迫したりすると、妊娠しにくくなることがあります。
妊娠中に嚢腫が見つかった場合、経過観察となることが多いですが、大きくなる場合や茎捻転のリスクがある場合は手術が必要になることもあります。
対策
経過観察: 小さい良性の嚢腫であれば、定期的に検査をして大きさを確認します。
薬物療法: ホルモン剤などで小さくなることは少ないです。
手術療法: 嚢腫が大きい場合や、悪性の疑いがある場合、茎捻転を起こした場合などに行われます。嚢腫だけを取り除く方法や、卵巣ごと摘出する方法があります。
子宮頸がん

どんな病気?
子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんです。ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が主な原因です。
症状
初期にはほとんど症状がありません。
進行すると、不正出血(生理以外の出血)、性交時の出血、おりものの異常(量が多い、色が変、臭いがある)、下腹部や腰の痛みなどが起こることがあります。
性行為や妊娠出産への影響
HPVは性行為によって感染することが多いです。そのため、処女のうちにワクチンを打つことも選択肢です。
子宮頸がんが進行すると、子宮を摘出しなければならなくなる可能性があり、妊娠できなくなります。
早期に発見して治療すれば、子宮を残せる場合もありますが、妊娠した場合、早産のリスクが高くなることがあります。
対策
予防: HPVワクチンを接種することで、感染を防ぐことができます。また、性行為の際にはコンドームを使用することも有効です。
検診: 定期的な子宮頸がん検診(細胞診など)を受けることで、早期発見が可能です。
治療: がんの進行度合いによって、手術、放射線治療、化学療法などが行われます。早期であれば、子宮頸部の一部を切除するだけで済むこともあります。
子宮体がん

どんな病気?
子宮の内側の「子宮内膜」という組織から発生するがんです。
症状
- 不正出血(閉経後の出血は特に注意が必要です)
- おりものの異常(量が多い、色が変、臭いがある)
- 下腹部や腰の痛み(進行すると起こることがあります)
性行為や妊娠出産への影響
子宮体がんは比較的閉経後の女性に多い病気のため、性行為への直接的な影響は少ないことが多いです。
子宮を摘出する治療が一般的であるため、妊娠することはできなくなります。
対策
検診: 不正出血などの症状があれば、早めに婦人科を受診することが大切です。子宮体がん検診(子宮内膜細胞診など)で早期発見が可能です。
治療: 手術(子宮、卵巣、卵管の摘出が一般的)、放射線治療、化学療法、ホルモン療法などが行われます。治療法はがんの進行度合いによって異なります。
子宮筋腫

どんな病気?
子宮の筋肉の壁の中にできる良性のこぶです。できる場所や大きさ、数によって症状が異なります。
症状
- 生理痛がひどくなる
- 生理の量が多くなったり期間が長くなる
- 不正出血がある 貧血(生理の出血が多いことが原因)
- 頻尿や便秘(筋腫が膀胱や直腸を圧迫するため)
- 腰痛
- お腹が張る
- 下腹部にしこりのようなものを感じる
性行為や妊娠出産への影響
筋腫の場所や大きさによっては、性行為の際に痛みや不快感を感じることがあります。
子宮の内側にできた筋腫(粘膜下筋腫)は、受精卵の着床を妨げたり、流産の原因になったりすることがあります。
筋腫が大きい場合や、子宮の変形が強い場合は、妊娠しにくくなることがあります
妊娠中に筋腫が大きくなると、流産や早産のリスクがわずかに高くなることがあります。また、分娩時に邪魔になることもあります。
対策
経過観察: 小さく症状がない場合は、定期的に検査をして大きさを確認します。
薬物療法: ホルモン剤などを使って、筋腫を小さくしたり、症状を軽くしたりします。
手術療法: 筋腫だけを取り除く手術(筋腫核出術)や、子宮ごと摘出する手術(子宮全摘術)があります。将来妊娠を希望するかどうかなどによって、手術の方法が変わることがあります。
その他: 超音波で筋腫を焼灼する治療法や、血管を詰めて筋腫を小さくする治療法などもあります。
卵管留水症

どんな病気?
卵管が炎症などを起こして詰まり、その中に液体が溜まってしまう病気です。
症状
- 慢性的な下腹部痛や腰痛がある
- おりものが増える
- 不妊(赤ちゃんができにくい)
性行為や妊娠出産への影響
卵管が詰まっているため、精子と卵子が出会うことができず、自然妊娠は難しくなります。
体外受精を行う場合でも、卵管に溜まった液体が子宮内に逆流することで、受精卵の着床を妨げる可能性が指摘されています。
対策
薬物療法: 炎症を抑えるために抗生物質などが使われることがあります。
手術療法: 詰まった卵管を開通させる手術や、卵管を取り除く手術が行われることがあります。将来妊娠を希望するかどうかなどによって、手術の方法が変わることがあります。
まとめ
症状や治療法は人によって異なります。
少しでも気になる症状があれば、必ず婦人科を受診してください。
早めに相談することで、早く治療を始められたり、心配事を解消できたりすることが大切です。